最悪の感情
はぁ、こんな歳になってこんな気持ちになるなんて惨めだ。
最近職場のAさんという女性が色んな人から可愛い可愛いと言われているのを見聞きした。
それを聞いて苦しい気持ちになった。
「私のほうがどう考えても美人なのに!」
「Aさん別に美人じゃなくない?」
「なんで私のことは誰も褒めてくれないの?」
「Aさんのどこが可愛いの?」
「自分より可愛くないAさんが褒められてるのが許せない」
苦しい気持ちになったことに驚きつつ、そして恥を偲んで私の胸の内を言語化するとこんな感じだろう。あーあ、言語化すると少女漫画の悪役すぎてビックリするよ。
これらの醜い感情が一気に去来して、すごくモヤモヤした。
これは嫉妬した時に感じる気持ちと一緒だ。
私はAさんに嫉妬していた。
どうしてAさんに嫉妬してしまったのか、私のそれまでの思考を整理したい。
一つ目、無意識のうちに自分が一番かわいくて美人だと思ってしまっていた。
私は学生時代に酷い外見コンプレックスがあった。世界で自分が一番醜いと本気で思っていたし、整形を絶対にすると意気込んでいた。
しかしメイクを覚えるうちにコンプレックスを隠せるようになり、またメイクをすることで周囲から「可愛い」とか「美人」とか言われるようになった。
それまでそのような言葉を言われてこなかった私は舞い上がり、さらには「綺麗なかおしてるよね」などと遺伝子勝ち組の人間しか言われないと思っていた言葉を言われ、自分の顔は美人なんだと錯覚していった。
自分のことを可愛いとか美人だとか思うこと自体は悪いことではない。むしろ良いことだと思う。
私の問題点は、人と比べてしまったことだ。無意識のうちに私が一番可愛い、私が一番美人、私はAさんより美人だと思ってしまっていた。
無意識のうちに人を顔で判断してランク付けし、自分以下とみなした人は見下す。
そんなことをしていたために、認知が歪んでしまった。
じゃあこれからどうするの?
⇒まずは自分のことを可愛いと思ったり美人だと思うこと自体なのは良いことなのでそのまま。
ただし、可愛いから特別扱いされるとか、チヤホヤされると思わないこと。
周囲に自分を可愛いと思ってもらうことを期待しないこと。自分の中で完結すること。
⇒顔で判断してランク付けしないこと
自分は可愛い側の人間だと思って驕っていた。これからは美で競おうとしない。
あくまで自分の中の可愛いを追求すること。他者と比べない。
⇒Aさんや周りの人ことを認めていこう。
Aさんをはじめとする周りの人の好さを認めよう。Aさん可愛いよねと言えるようになりたい。
次に二つ目、他者から承認されないこと=可愛くない?という被害妄想
他者から可愛いと言われないということは自分は可愛くないということなんだろうか?という考えがあった。
⇒そうじゃない、他者から承認を得られなくても私の中に可愛いはあるし、それを見つめていればおのずと理解してくれる他者も存在する。
⇒そもそも私の持つ可愛いはマイノリティ。他者から承認されたければ万人受けするファッションやメイクをすればよい。そうしないのだから、なかなか人から好まれなくて当たり前。
20半ばにもなって、無意識のうちにかわいい戦争に勝手に自ら参戦して独り相撲していた。そして他者を見下し他者からの承認を欲しAさんに嫉妬した。
Aさんのことを可愛くないなと見下した時点で、私の戦争および地獄は始まっていたんだ。
こんな感情久々で。スクールカースト真っ盛りの10代なら分かるけど、大人になってこんな幼稚な感情を抱くと思わなかったよ。
大人になったつもりでいたけど、私は勝手に他人を見下したり調子に乗ったりするところがあるみたい。しかも無意識に。
今回こうやって自分の幼稚な感情もすべて吐き出して整理して、なんとか落ち着くことができた。
自分の悪いところを見つめて反省して、自分で正していくしかない。
私は私を抱きしめてあげるしかない。
そしてこんな感情にはさようなら。
追記
周囲の人を認めるということは、「Aさん可愛いよね!」という意見に賛同できるようになることではない。この人はAさんを可愛いと思ってるんだなと認識し許容できること、それに対し何も感じないようになることである。
別に彼女のことを可愛いと思えなくて良い。何も感じないことだ。
そこが私の目指すところである。
追記ついでに余計なことも書くが、Aさんは近々整形するらしい。
「自分を好きになるために」とハッキリ言っていた。
他者から承認されている彼女だが、彼女なりに思うところあるのだろう。
また彼女は万人受けするように努力をしている。
その努力を全くしていない自分が、どうして彼女に文句を言えよう。
私が惨めになるだけだ。
でもこれだけ反省できた自分偉いよ。
とにかく、今日の自分お疲れ様。