とある声優の卵の裏垢

タイトルのまんま

非読書家の人間

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↑これを読んでくれから頼むぜ

 

<読書への傾倒の限界>
「本を読まなきゃ!」「本を読まない人は人じゃない!」という強迫観念に苛まれて読書道に足を踏み入れた私は、『卒業』を読んだのを皮切りに順調に歩みを進めていった。
加賀恭一郎シリーズの読破(その時点での。現在新作が出ているがまだ読んでない)や綾辻行人館シリーズの読破(これもその当時の時点で)、森博嗣のSMシリーズも次々に読むようになった。読書量が増えるのに比例して本を読まない人を見下すようになっていった私だったが、ここで限界を迎える。

なんとここに来て、本が読めなくなってきたのだ。簡単に言うと読書に飽きてきたのだった。
当時まどマギなどのアニメが大ブームとなっており、読書よりもアニメのほうが面白いし分かりやすい。時間もかからないし何より疲れない!そう感じ段々とアニメに時間を割くようになっていった。そうなると読書がとても億劫なものに感じるようになり、読書からだんだんと気持ちが離れていった。
気づけば一か月も何も読まない日が続いており、それでも読みたいという衝動に全く駆られなかった私は、とうとう自分は根っからの読書家でないことを悟った。
またそのことに対して後ろめたさとコンプレックスを抱いていたため、無理やり本を読む努力をした。別に読みたくない難しい本を買っては、本当はアニメが見たいのに無理やり本をめくった。その結果まったく集中もできずおもしろみも感じず、積読が増えていった。

本当の読書家たちは、本を読まないと息ができないのだと言う。
その感覚がまったく理解できなかった。表面上は私も「本を読まないと生きてけないんだよね~精神が安定しないっていうか」とかイキっていたが、本心ではまったく理解できなかった。
だって、別に本がなくたってゲームとかアニメとか、こんなに面白いものがたくさんあるのに。なんで今更読書なんかしなくちゃいけないの?アニメやゲームから学ぶことだってたっくさんある。なんで読書だけが知的生産行為として社会的に認められてるの??ゲームやアニメやドラマがなく、娯楽が本しかなかった昔は読書も低俗な行為とされ、「本ばっかり読んでないで勉強しなさい!」と叱られる光景が家庭ではよく見られたわけだ。
今はアニメやゲームは低俗なものとして扱われているが、いずれ高尚なものとして扱われる日が来るんじゃないか。あぁ、でもそうなったときには私は叱ってくれる人がすでにいない歳になってそうだけど。


<読書不要論という救済>
そんなこんなで一周回って自分が読書家でないことを自覚したわたしだったが、ある一人のYouTuberに出会う。
そのYouTuberは元国家公務員で、公務員試験の勉強法や現在の趣味であるガジェット情報について発信している人物だった。
合理的な話を論理的に話す様が見ていて気持ちよく、また話の内容もとてもためになるものばかりで、すきなYouTuberの一人だった。

その人物の動画の動画を漁っていた時、「20代でやってよかったことやっておきたかったこと」という動画を見つけた。
時は流れ10代後半となった私にとっては、これから20代を迎えるにあたってぜひ見ておきたい内容だった。
動画をみてみると、パソコンに慣れておくことや試験勉強に全力で取り組むことなどが挙げられていた。
しかし動画の最後に20代でやらなくてよかったこととして、なんと「読書」が挙げられていたのだ。

その人物曰く、「読書はただの情報収集のツールであり、なおかつそのツールとしても効率が悪い。
今どき本の要約動画などがあり、それらで本の内容の8割を知ることができる。
残りの2割のために本を買おうと思わない。」とのことだった。

最初は「やらなくていいことが読書?そんなわけない!」と思っていた私だが、あまりの説得力に肩の力が抜けてしまった。
それと同時に安心した。
その日から私は無理やり読書をすることも、読書という行為に傾倒することもなくなった。

10代のころは宝野アリカ氏以外にも、自分にとって頭の良い人の9割が読書家だった。
アイデンティティがぐらぐらだった私は彼らの真似をすることでアイデンティティを確立しようとし、
また優越感を抱いていた。ところがそれが途中で崩れ、コンプレックスを感じていたところにふっと現れたのが読書不要論だった。

今は3週回って読書好きになり、毎月2,3冊は読んでいる。
しかしこれは意識的ではなくあくまで読みたくて読んでいるので辛くない。
自分が根っからの読書家ではないなと思うのは今も同じで、気分が乗っているときしか読めないし読みたい本しか読みたくない。
根本的には生きるのに読書が必要ないタイプの人間なのだと思う。


追記
最近読んでめちゃくちゃ面白かった本は綾辻行人の『暗闇の囁き』と『緋色の囁き』
読み応えもあるし世界観も濃いしめちゃくちゃおもしろい。何より没入感がすごい。
クソみたいなレビューになってしまったが本格的な感想は別の記事にて。